-季節の天体-
こぐま座・おおぐま座の天体和名がつけられた星や有名な観望対象、 天文学で重要な天体を紹介します。
天の北極に最も近い明るい星を北極星と呼んでいます。現在の北極星はポラリス(こぐま座のα星■)で、薄黄色の2等星■です。北斗七星の柄杓の柄と反対の側の2 星の間隔を北へ5倍ほど延長したところに見えます。ミョウケンボシ・キタノヒトリボシ・ ネノホシなど多彩な和名で呼ばれています。北の方角を知るための目印の星として重 視されてきました。地球からの距離は433光年■です。
北斗七星の柄杓の柄の最後から2番目の星がミザールで、白色の2等星で す。目のよい人なら、ミザールのそばに少し暗い星、アルコル(白色の4等星) があるのがわかります。ソエボシ(スブシ)の和名で呼ばれています。見かけ上、 二つの星の間は満月の半径くらい離れています。ミザールはアラビア語で「ベ ルト」、アルコルは「かすかなもの」という意味です。昔のアラビアでは、この 二つの星が分離して見えるかどうかを目の検査に使っていました。地球からミ ザールまでの距離は86光年、アルコルまでは82光年です。ミザール自体も 連星■で、小型望遠鏡□で観望すると近接する二つの星を確認できます(● 図。左端の星がアルコル、右端の2つの星がミザールの連星系)。
おおぐま座にある銀河■です。地球からの距離は1200 万光年です。すぐそばに M81という大きな銀河があり、数 千万年前に二つの銀河が近接遭遇を起こし、この時大 量に発生した星間ガスによりM82の中では太陽の10倍 以上の質量を持つ星たちが大量に生まれています。この ように短期間で爆発的に星形成が進む銀河は「スター バースト銀河」と呼ばれます。すばる望遠鏡■によって、 M82の中心部から極方向に向かって電離している水素 ガスが吹きだしているのが観測されています(●)。
2014年1月におおぐま座にあるM82銀河で超新星 SN2014Jが発見されました(矢 印の明るい光点)。超新星◆とは、とても重い星が最後に大爆発を起こす現象です。